架空国家を作ろう　3.1世界線

ユニオン・オイルはユニオン・サービス社の子会社であり、湾岸経済特別区政府の事実上の国営石油企業である。
湾岸経済特別区の主要な生産品である石油を採掘・製油するユニオン・オイルはユニオン・サービスグループの中でも特筆した利益水準を誇っており、
ユニオン・サービスが一企業から国家を支配する超大企業に至った理由の中でも特に重要な存在であるといっていいだろう。
石油産業を主とする企業の中でも事実上国内に競合相手が存在しないため、必然的にアップストリームとダウンストリームの両方を一手に引き受けることとなっている。
企業内はアップストリームとダウンストリームで二つの事業部に分かれており、それぞれが緊迫的な協力関係の下原油輸出を行っている。

北はクウェートのアブダリから、南はアブダビ首長国のジェイラまで湾岸経済特別区のほぼ全ての油田を土地ごと企業支配下に置いたユニオン・オイルは全ての採掘場を中央集権的な業務支配下に置いた。
つまり、石油企業でありながら採掘業務の全てを自社でやってのけようとしたのである。
それ故にアップストリーム部門の事業は非常に複雑化しており、業務の粗雑化等が湾岸経済特別区における社会問題となっている。

ダウンストリーム部門は元よりどこの企業でも子会社に運用させるなど一極化が進んでいることもありアップストリーム部門のように事業の複雑化などは起きていない。
その一部を簡単にまとめると次のような業務が含まれる。

• 集油：集油プロセスでは、狭い低圧パイプラインを使用して、石油およびガス生産井をより大規模な長距離パイプラインまたは処理施設に接続する。
• 精製/処理：精製によって、原油およびガスを市場性のある製品に変える。原油の場合には、これらの製品は、灯油、ガソリン、ジェット燃料、ディーゼル油などである。石油精製プロセスには、蒸留、減圧蒸留、接触改質、接触分解、アルキル化、異性化、水素化脱硫処理が含まれる。天然ガス処理には圧縮が含まれる。グリコール脱水;アミン処理;製品をパイプライン品質の天然ガスと混合天然ガス液の流れに分離する。混合天然ガス液の流れをその成分に分離する分別。分別プロセスにより、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、および天然揮発油（英語版）が生成される。
• 輸送：石油とガスは、パイプライン、タンカー/バージ、トラック、および鉄道によって、処理施設に輸送され、そこからエンドユーザーに輸送される。パイプラインは最も経済的な輸送方法であり、たとえば大陸を横断して長距離を移動するのに最も適している。タンカーとバージは、遠距離、多くの場合国際輸送にも使用される。鉄道やトラックも長距離で使用できるが、短距離のルートで最も費用効果が高くなる。
• 貯蔵：中流のサービスプロバイダーは、石油およびガスの流通システム全体のターミナルに貯蔵施設を提供する。これらの施設は、ほとんどの場合、精製および処理施設の近くにあり、製品の需要を満たす必要がある場合に出荷を容易にするためにパイプラインシステムに接続されている。石油製品は貯蔵タンクに貯蔵されるが、天然ガスは岩塩ドーム洞窟や枯渇した貯水池などの地下施設に貯蔵される傾向がある。
• 技術的アプリケーション：中流サービスプロバイダーは、中流プロセス中の効率を改善するために技術ソリューションを適用する。燃料の圧縮中にテクノロジーを使用して、パイプラインを通る流れを容易にすることができる。パイプラインのリークをより適切に検出するため。パイプラインと機器の監視を改善するために通信を自動化する。

これらの業務を一極化したことにより円滑化された石油輸出が可能となっているものの、連携化・分極化された企業による連合に対しては都合上強く出れないという難点も持ち合わせている。

• ユニオン・オイルクウェート地域事業所
• ユニオン・オイルアブダビ総事業所
• ユニオン・オイルバーレーン諸島地域事業所
• ユニオン・オイルカタール半島地域事業所
• ユニオン・オイル北部オイル輸送事業所
• ユニオン・オイル南部オイル輸送事業所
• ユニオン・オイルアジア総合事業所
• ユニオン・オイルヨーロッパ総合事業所

1934年1月:アブダリオイル、イスマーイール・ロべオによってクウェートにて設立。当時はユニオン・サービス社とは一切関係のない中小石油調査企業であった。
1938年9月;アブダリオイル、ブルガン油田を発見も国際社会への混乱を恐れたクウェート政府により発表をしばらく禁止される。
1941年2月:ユニオン・サービス社、クウェート地域における土地の買収に際し競合するアブダリオイルを買収。ブルガン油田が発表される以前だったためクウェート政府に混乱が生じる。
同年4月:ユニオン・サービス社、クウェート政府の要請を無視しブルガン油田の存在を公的発表。石油市場に淡い混乱が生じる。
1945年1月:アブダリオイル、ユニオン・オイルに改名。また民間石油採掘業者の買収及び統合が繰り返されるようになる。

1959年1月24日:イスマーイール・ロべオ代表が飛行機事故によって死亡。次期代表にはロッツ・ベッティが就任。
1963年4月:ロッツ・ペッティ代表、スキャンダルにより社長を辞任。次期代表にはわずか26歳のアブラハム・ポーペが就任。
1964年2月:アブラハム・ポーペ代表、1963年湾岸経済危機に乗じ石油関連企業の大量買収を画策。本社の支持もあり成功、一気に国家的な企業に成長した。
1976年:アブダビに本社を移転。

名前	就任	辞任	備考
イスマーイール・ロべオ	1934年1月11日	1959年1月24日	彼の死亡には本社により近い企業とするためにユニオン・サービス社による陰謀があったという説がある。
ロッツ・ペッティ	1959年1月24日	1963年4月15日
アブラハム・ポーペ	1963年4月13日	N/A

ユニオン・サービス